体の盾、免疫システム! 知っておくべき仕組みと高め方
風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくい体質になりたいと思ったことはありませんか?
実は、私たちの体には、病気や感染症から身を守るための強力な防御システムが備わっています。
それが「免疫システム」です。
今回の記事では、免疫とシステムの仕組み、免疫力を高める方法などを解説していきます。
免疫とは?

免疫とは、私たちの体内にある防御システムの総称です。
体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体から体を守るために、様々な細胞や臓器が連携して働いています。
免疫システムは、大きく分けて以下の2つの役割を担っています。
非特異的免疫

非特異的免疫は、第一防衛線として機能し、外来物全てを排除しようとします。
具体的な仕組みは以下の通りです。
防御機構 | 役割 | 詳細 |
---|---|---|
物理的バリア | 病原体が体内に入るのを物理的に阻む | ・皮膚や粘膜: 病原体が体内に侵入するのを物理的に阻みます。 ・涙や鼻水: 病原体を洗い流します。 ・繊毛: 気道に入った病原体を絡め取ります。 |
細胞性防御 | 病原体を攻撃し、排除する | ・マクロファージ: 病原体を貪食し、分解します。 ・好中球: 病原体を攻撃し、殺菌します。 ・ナチュラルキラー細胞: ウイルス感染細胞を攻撃し、破壊します。 |
体液性防御 | 病原体の活動を阻害し、排除する | ・補助因子: マクロファージや好中球の働きを助けます。 ・リゾチーム: 細菌の細胞壁を破壊します。 ・インターフェロン: ウイルスの増殖を抑えます。 |
非特異的免疫は、生まれつき備わっている防御システムです。
反応速度が速く、幅広い種類の病原体に対応できます。
特定の病原体に対する記憶力がないため、同じ病原体に何度も感染してしまう可能性があります。
獲得免疫

獲得免疫は、第二防衛線として機能し、特定の病原体を記憶し、効果的に排除します。
具体的な仕組みは以下の通りです。
防御機構 | 役割 | 詳細 |
---|---|---|
リンパ球 | 病原体に対する特異的な免疫応答を担う | ・B細胞: 抗体と呼ばれるタンパク質を産生し、体液性免疫を担当します。 ・T細胞: 細胞性免疫を担当し、感染細胞を直接攻撃したり、マクロファージの働きを助けます。 |
抗原提示細胞 | 病原体の情報をリンパ球に提示する | 病原体を貪食し、分解した後に、その情報をリンパ球に提示します。 |
抗体 | 病原体に特異的に結合し、排除する | ・病原体に特異的に結合し、無力化したり、マクロファージによる貪食を促進したりします。 ・ワクチン接種によって人工的に産生することができます。 |
記憶細胞 | 一度感染した病原体の情報を記憶し、再感染時に迅速に反応できるようにする | 一度感染した病原体の情報を記憶し、再感染時に迅速に反応できるようにします。 |
獲得免疫は、後天的に獲得する防御システムです。
特定の病原体を記憶し、効果的に排除します。
反応速度が遅いという欠点があります。
しかし、特定の病原体に対する記憶力があるため、一度感染した病原体には、再感染しにくくなるという利点があります。
免疫システムの仕組み

免疫システムは、複雑な仕組みで構成されています。
主な役割を担う細胞や臓器は以下の通りです。
免疫システムに関わる細胞と臓器
細胞/臓器 | 役割 | 詳細 |
---|---|---|
白血球 | 体内を巡り、病原体を攻撃したり、免疫情報を伝達したりする | 【種類】好中球、マクロファージ、リンパ球など 【役割】 ・好中球: 病原体を攻撃し、殺菌する ・マクロファージ: 病原体を貪食し、分解する ・リンパ球: 抗体産生や細胞性免疫を担当する |
リンパ節 | 白血球が集まり、免疫情報を交換する場所 | ・リンパ液の流れに沿って存在する ・免疫細胞同士が情報交換を行い免疫応答を調整する |
脾臓 | 古い赤血球を分解したり、免疫細胞を産生したりする臓器 | ・腹部左側にある臓器 ・古い赤血球を分解しリサイクルする ・免疫細胞を産生し免疫機能を担う |
骨髄 | 造血幹細胞が存在し、白血球などの免疫細胞を産生する場所 | ・長骨の中にある組織 ・造血幹細胞から様々な種類の血液細胞が産生される ・免疫細胞も骨髄で産生される |
胸腺 | T細胞と呼ばれる免疫細胞を成熟させる臓器 | ・ 胸部にある臓器 ・T細胞を成熟させ免疫機能を担う |
これらの細胞と臓器は、互いに連携して、免疫システムを構成しています。
免疫システムは、私たちの健康を維持するために非常に重要な役割を担っています。
免疫力を高める方法

免疫力を高めるためには、以下の方法が有効です。
バランスのとれた食事を摂る

免疫細胞の材料となる栄養素をしっかりと摂取することが重要です。
特に、ビタミンA、C、E、亜鉛、たんぱく質などの栄養素を意識的に摂取しましょう。

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十分な睡眠を取る

睡眠不足は免疫力を低下させると言われています。
質の高い睡眠を7~8時間程度取るようにしましょう。
適度な運動をする

運動は免疫細胞を活性化し、免疫力向上に効果があります。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
ストレスを溜めない

ストレスは免疫力を低下させるホルモンを分泌します。
ストレス解消法を見つけて、上手にストレスを溜めないようにしましょう。
禁煙する

タバコの煙は免疫細胞を傷つけ、免疫力を低下させます。
禁煙は免疫力向上に効果的な方法の一つです。
適度な飲酒

過度な飲酒は免疫力を低下させます。
適度な飲酒であれば、血行促進効果などが期待できます。
日光を浴びる

日光を浴びることで、体内ではビタミンDが生成されます。
ビタミンDは免疫細胞を活性化し、免疫力向上に効果があります。
腸内環境を整える

腸内環境が悪化すると、免疫力が低下する可能性があります。
ヨーグルトや納豆などの発酵食品を積極的に摂取し、腸内環境を整えましょう。

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免疫力は、私たちの健康を維持するために非常に重要な役割を担っています。
日々の生活の中で、上記のような方法を実践して免疫力を高め健康な体づくりを目指しましょう。