重曹とベーキングパウダーは、どちらも膨張剤としてお菓子作りによく使われますが、実は同じではありません。
このページでは、重曹とベーキングパウダーの違いを徹底解説します。


ふっくら膨らむ魔法の粉!ベーキングパウダーの役割と使い方を徹底解説
- それぞれの膨らむ仕組み
- 特徴
- 使い分け
- 代用方法
- 注意点
などを詳しく説明し、それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、お菓子作りに役立てられるよう、お手伝いします。
重曹とベーキングパウダーの膨らむ仕組み

重曹は、炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)という化学物質です。
酸性物質と反応すると二酸化炭素が発生し、これが膨らむ力となります。
一方、ベーキングパウダーは、重曹に酸性物質(クエン酸や酒石酸など)と乾燥剤(コーンスターチなど)を混ぜ合わせたものです。
水と混ぜるだけで二酸化炭素が発生するため、酸性物質が存在する必要はありません。
二酸化炭素が発生する仕組みは、重曹とベーキングパウダーで異なります。
重曹の場合

重曹は炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)という化学物質で、水に溶けると弱アルカリ性の溶液になります。
酸性物質と反応すると、二酸化炭素、水、塩が発生します。
この二酸化炭素が気体となって膨らむ力となります。
具体的な化学反応式は以下の通りです。
NaHCO₃ + H⁺ → CO₂ + H₂O + Na⁺
ベーキングパウダーの場合

ベーキングパウダーは、重曹に酸性物質(クエン酸や酒石酸など)と乾燥剤(コーンスターチなど)を混ぜ合わせたものです。
水と混ぜるだけで二酸化炭素が発生します。
ベーキングパウダーには、以下の種類があります。
- 単発型: 水と混ぜるだけで膨らむ。
- 複発型: 最初に水と混ぜた後、加熱することで再度膨らむ。
ベーキングパウダーが膨らむメカニズムは以下の通りです。
- ベーキングパウダーが水に溶け、重曹と酸性物質が反応する。
- 二酸化炭素が発生する。
- 二酸化炭素が気体となって生地に泡を作る。
- 加熱することで、泡が膨らんで生地が持ち上がる。
このように、水と混ぜるだけで二酸化炭素が発生する理由は、
- 重曹の場合は酸性物質が存在すること
- ベーキングパウダーの場合は重曹と酸性物質が既に混合されている
となります。
重曹とベーキングパウダーの特徴

重曹とベーキングパウダーは、それぞれ以下の特徴があります。
特徴 | 用途 | |
重曹 | 炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)という化学物質 比較的安価 苦味やえぐみがある 水に溶けると弱アルカリ性の溶液になる 膨らむ力は弱い 酸性度の高い生地で膨らむ 色が黄色くなることがある | ホットケーキ 蒸しパン クッキー ココアケーキ など |
ベーキングパウダー | 重曹に酸性物質と乾燥剤を混ぜ合わせたもの 重曹より高価 苦味やえぐみがない 膨らむ力は強い 水さえあれば膨らむ 色が白く仕上がる | マフィン シフォンケーキ パウンドケーキ スコーン など |
重曹とベーキングパウダーの使い分け

重曹とベーキングパウダーは、どちらも膨張剤としてお菓子作りによく使われますが、同じではありません。
それぞれの特徴を理解した上で使い分けることが重要です。
重曹を使う場合

- 生地が酸性であること
- 苦味やえぐみを気にしないこと
- 黄色く仕上がることを気にしないこと
ベーキングパウダーを使う場合

- 手軽に膨らませたい
- 苦味やえぐみを抑えたい
- 白く仕上げたい
重曹とベーキングパウダーの代用

重曹とベーキングパウダーは、それぞれ代用することが可能です。
【重曹の代用】
- ベーキングパウダー(重曹の約3倍の量)
【ベーキングパウダーの代用】
- 重曹(ベーキングパウダーの約3分の1の量) + 酸性物質(クエン酸、酒石酸など)
代用する場合は、膨らむ力や味、色が変わる可能性があることを考慮する必要があります。
重曹とベーキングパウダーを使用する際の注意点

- 使用量を守る
- 計量を正確に行う
- 生地に混ぜたらすぐに焼く
- 保存方法を守る
重曹は、過剰摂取すると腹痛や下痢を引き起こす可能性があります。
ベーキングパウダーは、使用量が多いと苦味やえぐみが出る可能性があります。
重曹とベーキングパウダーは、それぞれ異なる性質を持つ膨張剤です。
それぞれの膨らむ仕組み、特徴、使い分け、代用方法などを理解した上で、お菓子作りに役立てましょう。