ナトリウムは、私たちの体内で約100g存在する必須ミネラルです。
生命維持に不可欠な役割を果たしています。
しかし、近年は食生活の欧米化などにより、ナトリウムの過剰摂取が問題視されています。
今回の記事では、
- ナトリウムの役割
- ナトリウム不足による症状
- 摂取方法
- 過剰摂取によるリスク
- おすすめの食材
などについて詳しく解説します。
ナトリウムを上手に摂取し、健康的な生活を送りましょう。
ナトリウムとは?

ナトリウムは、アルカリ金属元素の一つであり、食塩(塩化ナトリウム)として広く知られています。
体内の約60%が細胞外液に存在しています。
細胞内外の浸透圧を調節したり、神経伝達や筋肉収縮に重要な役割を果たしたりしています。
ナトリウムの役割

ナトリウムの役割をわかりやすく解説します。
水分量調節部隊:細胞外液の門番

ナトリウムは、細胞外液と呼ばれる体液の浸透圧を調節し、体内の水分量を保ちます。
まるで細胞外液の門番のような存在で、水分が体外に漏れ出ないようにコントロールしています。
血圧調節部隊:血管の弾力性を保つ

ナトリウムは、血管壁にある細胞に働きかけ、血管を適度に収縮させることで血圧を調節します。
血圧が上がりすぎると、高血圧や動脈硬化などのリスクが高くなります。
その際、ナトリウムが適切に働いて血管の弾力性を保つことで血圧を正常な範囲に保ちます。
神経伝達部隊:情報伝達の司令塔

ナトリウムは、神経細胞間の情報伝達に重要な役割を果たしています。
神経細胞は、ナトリウムイオンの流れを利用して情報を伝達します。
まるで情報伝達の司令塔のような存在で、脳や筋肉への指令を伝達し体の動きや感覚をコントロールします。
筋肉収縮部隊:力強い動きをサポート

ナトリウムは、筋肉の収縮に不可欠な役割を果たしています。
筋肉細胞は、ナトリウムイオンとカリウムイオンのバランスを利用して収縮します。
まるで力強い動きをサポートする戦士のような存在で、筋肉の動きをスムーズにし、体の様々な機能を支えます。
胃酸分泌部隊:消化吸収を助ける

ナトリウムは、胃酸の分泌を促進する役割を果たしています。
胃酸は、食物の消化吸収を助けるだけでなく、抗菌作用も持ちます。
まるで消化吸収を助ける戦士のような存在で、健康な消化活動をサポートします。
ナトリウム不足の症状

ナトリウムが不足すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 脱水症状: 喉の渇き、口渇、頭痛、めまい、尿量減少、便秘など
- 低血圧: めまい、立ちくらみ、倦怠感など
- 筋肉の痙攣: 手足の筋肉がけいれんする
- 倦怠感: 疲れやすく、活動量が低下する
- 集中力低下: 頭がぼんやりする、集中できない
ナトリウムの摂取方法

ナトリウムは、主に食品から摂取することができます。
食品 | 部位 | 100gあたりのナトリウム含有量 (mg) | 1日摂取推奨量の割合(成人男性:6.5g、成人女性:5.5g) | 備考 |
---|---|---|---|---|
塩 | – | 4950 | 76.1% | 調味料として使用される塩は、ナトリウムの主要な摂取源です。 |
ハム | – | 1000 | 15.4% | 加工食品の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
ソーセージ | – | 800 | 12.3% | 加工食品の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
ベーコン | – | 1200 | 18.5% | 加工食品の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
チーズ | チェダーチーズ | 680 | 10.5% | 加工食品の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
インスタントラーメン | 1食(50g) | 780 | 12.0% | 加工食品の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
わかめ | 乾物 | 10600 | 163.1% | 海藻類の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
昆布 | 乾物 | 5600 | 86.2% | 海藻類の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
ひじき | 乾物 | 10000 | 153.8% | 海藻類の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
牡蠣 | – | 690 | 10.7% | 魚介類の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
しらす干し | – | 1100 | 17.0% | 魚介類の中でも、ナトリウム含有量が多い食品の一つです。 |
納豆 | – | 10mg | 0.2% | 発酵食品である納豆は、ナトリウム含有量が比較的低い食品です。 |
玄米 | – | 15mg | 0.2% | 白米よりも栄養価が高く、ナトリウム含有量も低い食品です。 |
鶏むね肉 | 皮なし | 70mg | 1.1% | 肉類の中でも、ナトリウム含有量が比較的低い食品です。 |
ブロッコリー | – | 30mg | 0.5% | 野菜の中でも、ナトリウム含有量が比較的低い食品です。 |
バナナ | – | 1mg | 0.0% | 果物の中でも、ナトリウム含有量が非常に低い食品です。 |
【その他、ナトリウムを多く含む食品】
- 牛肉、豚肉、魚介類、豆類、ナッツ類など
回答案を表示 volume_up
【ナトリウムの1日摂取推奨量】
- 成人男性: 6.5g
- 成人女性: 5.5g
- 高齢者: 6g
- 高血圧患者: 6g
ナトリウムを上手に摂取するためのポイント

ナトリウムは、私たちの体にとって重要な役割を果たすミネラルです。
しかし、過剰摂取は高血圧などの生活習慣病のリスクを高めるため、適切な量を摂取することが重要です。

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1日の摂取量を守る

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18歳以上の男性の1日のナトリウム摂取量の推奨量は 1日7.5g、女性の推奨量は1日6.5gです。
これは、食塩相当量で約19g、約16gに相当します。
食品の選び方

ナトリウムを多く含む食品には、
- 塩、しょうゆ、みそなどの調味料
- ハム、ウインナー、インスタントラーメンなどの加工食品
- 汁物
- 漬物
などがあります。
これらの食品を控えるだけでなく、カリウムを多く含む食品を積極的に摂取することで、ナトリウムの排泄を促進することができます。
カリウムを多く含む食品には、野菜や果物、豆類などがあります。

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調理方法
調理方法でも、ナトリウムの摂取量を減らすことができます。
以下のような点に注意しましょう。
- だしをしっかり取ることで、塩分控えめでも美味しく仕上げることができます。
- 煮物などの汁物は、具沢山にして、汁をすべて飲み干さないようにしましょう。
- 炒め物は、油で炒める代わりに、蒸したり茹でたりしましょう。
外食

外食する場合は、メニューの栄養表示を確認して、ナトリウム含量の少ないものを選びましょう。
また、薄味で注文したり、ドレッシングなどをかけすぎないように注意しましょう。
塩分控えめの調味料を活用する

市販には、塩分控えめの調味料が販売されています。
これらの調味料を活用することで、簡単に塩分を減らすことができます。
カリウムを意識的に摂取する

カリウムは、ナトリウムの排泄を促進する効果があります。
カリウムを多く含む食品を積極的に摂取することで、ナトリウムのバランスを調整することができます。
カリウムを多く含む食品には、野菜や果物、豆類などがあります。
減塩習慣を継続する

ナトリウムの摂取量を減らすには、継続することが重要です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、少しずつ習慣化することで、自然と減塩することができます。
体調に合わせて調整する

運動や発汗が多い場合は、ナトリウムの排泄量が増えるため、適宜摂取量を調整する必要があります。
体調が悪い場合は、医師に相談しながら、ナトリウムの摂取量を調整しましょう。
ナトリウムは、私たちの体にとって必要なミネラルですが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼします。
1日の摂取量を守り、食品選びや調理方法に気を配ることで、上手にナトリウムを摂取しましょう。
また、カリウムを意識的に摂取したり、減塩習慣を継続したりすることも大切です。
体調に合わせて調整しながら、健康的な食生活を心がけましょう。